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Eilean Donan城と Dornieのパン屋さん

エイリーン・ドナンという地名は紀元580年頃アイルランドからこの地にやってきた聖人、ドナン司教にちなんで名付けられ、7世紀後半には現在城が立っている小さな島に彼が開いたコミュニティーが形成されていたと言われています。

13世紀に入るとその頃すでにスコットランド北部との西の島々を支配していたバイキングのさらなる侵攻を防ぐための要塞化が始まりました。当時は陸路よりも海路が重要であったので、以後この地における重要な防御の拠点となっていったのです。

 

石の橋周辺には潮の香りが立ち込めています。14世紀にこの地方にやって来たマックリー一族の庇護のもと、マッケンジー一族がこの城を所有していましたが、16世紀の初め頃には廃墟になっていました。

1719年、一部残った建物に反政府軍ジャコバイトを支援するスペイン兵が駐屯して火薬庫兼本国からの武器の受け取りを待つ拠点としたため、イギリス政府は三日かけて重装備のフリゲート艦3隻で殲滅した後、彼らが残した火薬で徹底的に城を破壊しました。

それから200年ほど後にここを購入したジョン・マックリー・ギルストラップが、かつての設計図に沿って20年かけて城を再建。現在はー家の創設したトラストによって保持、運営がなされています。写真は敷地内にあるマックリー一族の記念碑。

1986年のショーン・コネリー主演の『ハイランダー』や、1999年の『The World is Not Enough』で ジェームズ・ボンドの所属するMI6本部として映画に登場したので見覚えのある方もおられるかもしれませんね。

すぐ近く、DornieにあるManuela's Wee Bakeryは小さなオーガニックの手作りパン屋さん。Weeとはスコットランド人がよく使う言葉で『小さい』という意味の示す通り、まるでホビットが住んでいそうな雰囲気のこぢんまりした建物が特徴的です。

 

もちろんメインのパンもとっても美味しく、地元の人や観光客に大人気。コーヒーやケーキも楽しめるイートインスペースもあるので、もし近くまで来たら立ち寄ってみてはいかがでしょうか?